文書・記録
江戸時代の旅日記
文化2年(1805)、山口町人安部四郎右衛門が東北地方等を旅した際の旅日記です。安部家は山口の道場門前町に居を構えていた家で、代々商業を営み、山口町の大年寄を務めたほか、屋敷が脇本陣として利用されるなど、江戸時代の山口を代表する町家でした。安部四郎右衛門(宗信)は同家の8代目当主であり、文化2年(1805)の旅は、遠く陸奥国をはじめ、全国20ヶ国以上を巡る大旅行でした。 |
![]() みちのく行 ![]() 山鳥渡二口越 |
年度別書翰集
近代の毛利家で藩士および藩内関係者の書状を編年に収録したものです。時代は文政5年(1822)から明治22年(1889)に至り、41冊に編冊されています。表題に書翰集とありますが、私的な書翰のほか、浦手形・役職任免達書などの公的な文書も収められています。また、西郷吉之助・松平春嶽など維新関係者の書簡も一部収録しています。なお、年月未詳書翰集6冊を含みます。
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![]() 年度別書翰集 一 |
近藤清石編さん史料
【防長古文書誌】
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![]() 防長古文書誌 大島郡 一 ![]() 大内氏実録土代 巻一 |
給禄帳・分限帳
毛利家文庫内の分限帳及び給禄に関する記録のうち、『広島御時代分限帳』(52給禄2)、『元就公御馬廻知行高』(同5)、『天正十七年御馬廻分限帳』(同6)、『文禄慶長中分限帳』(同7)、『慶長末年元和三年分限帳』(同11)、『元和八年分限帳』(同14)を収録しています。
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![]() 元就公御馬廻知行高 |
維新関係者履歴
毛利家文庫の維新関係記録のうち、『木戸孝允略伝』(73藩臣履歴7)、『広沢兵助真臣履歴』(同10)、『大村兵部大輔事跡』(同11)、『前原一誠履歴』(同13)、『高杉晋作履歴概要』(同14)を収録しています。
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![]() 木戸孝允略伝 |
有光家文書
有光(ありみつ)家文書は、15世紀末~18世紀初め頃にかけて、長門国豊浦郡正吉郷の正吉八幡宮(現在の下関市永田神社)の大宮司であった有光家に伝わった文書群です。 昭和55年(1980)、山口県文書館に寄贈され、平成4年(1992)に国の重要文化財に指定されました。これらは121点の文書と1点の絵図からなり、年代は建保3年(1215)~貞享5年(1688)にわたりますが、大半が中世のものです。文書の内容は有光氏の所領に関する譲状・売券などが中心ですが、社務関係の文書の中には神仏習合的な秘伝も含まれるなど、多岐にわたっています。特に、中世前期の文書は、幕府・守護・国衙・荘園領主といった中央や上級の権力者が発給したものではなく、正吉郷とその周辺で生活していた人々が作ってやりとりした性格の文書であること、しかもそれらが"うぶ"な状態でまとまって残っている点で、大変貴重なものです。 |
![]() 地頭某下文 ![]() 長門国正吉郷入江塩浜絵図 |
◆もっと知りたい人は 国守 進「豊浦郡正吉郷入江干潟絵図について」(『山口県文化財』16号、山口県文化財愛護協会、昭和61年) 平瀬直樹「長門国正吉郷の中世-『有光家文書』の世界-」(『日本社会の史的構造』古代・中世、思文閣出版、平成9年) 木村忠夫「正吉郷の中世史」(八木充編『図説山口県の歴史』、河出書房新社、平成10年) |