資料小展示 - 平成26年度

第11回資料小展示 吉田松陰自賛肖像

紺色の着物を身に着け、胡座にて座る吉田松陰。その右手は書物の頁をめくり、刀は帯びずに左傍らに置いています。
この肖像画は、松陰の弟子である松浦松洞(まつうらしょうどう、1837~1862)が描き、松陰が自ら賛をしたためたもの(自賛)です。安政6年(1859)5月、松陰が幕府の命で江戸へ送られる頃に作られました。
この肖像画のほか、松陰に関係する文書や所用品など、松陰が家督を継いだ吉田家に伝わった「吉田松陰関係資料(吉田家伝来)」754点は、山口県文書館が所蔵しています。これらは、松陰の生涯に関する資料が時代に偏ることなく残り、松陰の行動や思想を知る上で基本となる資料であることから、平成21年11月17日、山口県指定有形文化財(歴史資料)に指定されました。
今回の展示では、この「絹本着色吉田松陰像(自賛)」と、松陰が野山獄を出て再び投獄されるまでの間(安政2年(1855)12月~5年(1858)11月)の資料を紹介します。

会期
平成27年2月28日(土)~3月29日(日)
 <肖像実物展示>3月10日(火)~15日(日)
閉館日
祝日・月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、409KB)download
絹本着色吉田松陰像(部分)
(吉田松陰関係資料164)

第10回資料小展示 万歳 ―正月のことほぎ―

正月の行事や飾りには、その年の豊作や家々の安寧などを願う、さまざま祈りが凝縮されています。今回(1/7~2/15)は、正月に巡り来て家々を祝福する「万歳(まんざい)」という芸能、ないしそれをおこなった人々を紹介します。
「万歳」は、滑稽さを強調した芸能として近代化した、今の「漫才」の原型にあたります。

会期
平成27年1月6日(火)~2月15日(日) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、604KB)download
山口の万歳が着用した鶏頭の烏帽子
(一般郷土史料1704)

第9回資料小展示 貞享二年地震 ―古文書に見る防長両国の被害―

山口県は地震が少ない県と言われていますが、古文書をみてみるといくつかの地震により被害を受けていることが分かります。
なかでもフィリピン海プレート先端部の地下で起こる安芸灘~伊予灘を震源とする地震は、明治38年(1905)や平成13年(2001)など、近年に至るまで発生していることが知られています。
今回は安芸灘~伊予灘を震源としてマグニチュード7.0~7.4の規模であったと推定されている貞享2年12月10日(西暦1686年1月4日)に起こった地震の史料を紹介します。

会期
平成26年11月29日(土)~12月27日(土) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、2.3MB)download
公儀ヨリ被仰出御書附
(毛利家文庫41公儀事34)

第8回資料小展示 江戸時代の将棋 ―萩藩の強豪”真甫”―

江戸時代の初め、萩藩に「真甫」という全国にその名を轟かせた将棋指しがいました。江戸時代、将棋の名人は、大橋家本家、大橋家分家、伊藤家の三家で世襲されていましたが、真甫は、在野の強豪として、初代伊藤宗看(後の三世名人)と対局したことで有名です。寛永18(1642)年から慶安2(1649)年にかけて香車落で70番を指し、勝敗は宗看の40勝30敗でした。その時の棋譜が今も多く残っており、その戦いぶりを知ることができます。
今回の展示では、この真甫に関する当館の史料を紹介します。

会期
平成26年11月1日(土)~27日(木) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、515KB)download
近衛尚嗣書状(毛利家文庫3他家108)

第7回資料小展示 明治時代の県庁書庫

文書館が所蔵する明治時代の県庁文書(国重要文化財「山口県行政文書」)の中には、表紙下部分に色紙が貼られているものがあります。これは、県庁書庫で各課文書を管理する上で、配架位置を間違えないよう、目印として貼られていたものです。
これらの文書は、大正5年(1916)7月に新しい県庁舎(現在の国重要文化財「山口県旧県庁舎」)が出来るまでの間、幕末期に政庁として築造された「山口御屋形」を増改築した県庁舎の書庫で保管されていました。
今回は、文書に貼付された小さな色紙から、明治期山口県における文書管理の歴史を探ります。

会期
平成26年10月1日(水)~30日(木) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、1.3MB)download
山口県行政文書(一部) 

第6回資料小展示 「益田高友家文書」-新収史料の紹介-

本年、山口市在住の御子孫より「益田高友家文書」が文書館に寄託されました。
益田高友家は藤原姓。中世西石見最大の国人領主であった益田家の分家で、応仁・文明の乱で活躍した益田貞兼の四男兼勝に始まります。戦国期は益田家の親族として活動し、大内氏やその有力家臣と直接交渉を持っていました。近世に入り、周防国吉敷郡問田を本拠とした問田益田家の「家老」となりました。
本展示では,この「益田高友家文書」の一部を紹介します。

会期
平成26年8月30日(土)~9月28日(日) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、333KB)download
益田宗兼感状(益田高友家文書2(10の5)) 
大内義長書状(益田高友家文書1(6の1)) 

第5回資料小展示 館蔵資料にみる黒田官兵衛

戦国時代、大名は有能な人材を側近くに置き、彼らの献策を取り入れて、内政・外交など様々な政策を実行していきました。こうした人物の中で特に優れた者は「軍師」などと呼ばれ、今話題の黒田官兵衛もその一人に挙げられます。
今回の資料展示では、当館所蔵資料の中から、その黒田官兵衛にアプローチしてみます。 

会期
平成26年8月1日(金)~28日(木) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、262KB)download
黒田孝高書状(奈古屋家文書41) 

第4回資料小展示 田植え -『防長風土注進案』にみる村の一年(1)-

田植えも済み、方々の田んぼでは稲が青々と育っています。今回は、農村において、もっとも大切な行事の一つである「田植え」について、「防長風土注進案」(当館蔵)の記述や「四季耕作図」屏風(当館蔵安部家文書)に含まれる画像を手がかりに、当時の風景に迫ってみます。
(この屏風絵は長府藩御用絵師・笹山養意の筆になるものですが、描かれた年はわかりません。また、描かれた農村風景は、必ずしも写実されたものではありません)

会期
平成26年7月1日(火)~30日(水) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、3.48MB)download
「四季耕作図」屏風 

第3回資料小展示 防長古器考の図

安永3年(1774)に完成した「防長古器考」161冊は、萩藩が領内規模で行った美術工芸品調査の代表例です。調査対象は藩士・社寺を中心に210家に達します。多くは精密な図入りで大変美しく、一部は彩色も施されています。調査された美術工芸品の多くは現在では失われており、その意味で非常に意義深い美術工芸品調査報告書となっています。
今回は、この中から、彩色図などを紹介します。

※今回の小展示は、第9回中国四国地区アーカイブズウィーク・アーカイブズ展示「美術とアーカイブズ」(5月31日~6月8日)の一環として行います。 

会期
平成26年5月31日(土)~6月29日(日) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、936KB)download
防長古器考 

第2回資料小展示 神代直人の捕縛 -大村益次郎襲撃事件顛末―

皆さんは神代直人という人物を知っていますか?神代直人とは、大村益次郎を襲撃し、結果として死に追いやった犯人グループの首謀者とされる人物です。また、伊藤博文の回顧談には、英国船での和議交渉から帰還した高杉晋作と伊藤博文を襲撃しようとしたとも伝えられています。神代直人は、大村益次郎襲撃後、明治2年(1869)10月に豊後国姫島から山口に帰着した際、官吏に見つかり、自ら割腹したとされてきました。
今回は、この人物の捕縛の真実にせまりたいと思います。 

会期
平成26年5月1日(木)~5月29日(木) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、596KB)download
神代直人口書
(「天朝御沙汰一件」毛利家文庫1雲上28(5の2))

第1回資料小展示 近代貨幣の移り変わり -新貨条例から終戦まで―

明治政府は、1971(明治4)年、新貨条例を制定し、貨幣の単位を円・銭・厘に改め、純金二分(1.5グラム)を円の定量とし、円の100分の1を銭、銭の10分の1を厘としました。そして、本位貨幣として5種の金貨、補助貨幣として4種の銀貨と3種の銅貨を鋳造しました。現在、私たちが慣れ親しんでいる通貨制度は、この時に始まったものです。
今回の展示では、新貨条例以降、終戦までに鋳造された各種の硬貨のうち、少額面で、日常生活を送る上で身近な「お金」であった「1銭硬貨」の変遷を紹介します。

会期
平成26年4月1日(火)~4月27日(日) 
閉館日
月曜
会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(PDF、360KB)download
龍一銭銅貨(明治7年) 一般郷土史料1703

行事・講座のご案内