資料小展示 - 平成30年度

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第12回(最終回)「貌~描かれた近代・撮された近代」

明治の訪れ、それは近代という時代に人びとが足を踏み入れた、時代の舞台転換のそのときでした。今月の資料小展示では、当館所蔵史料のうち絵画や写真に注目して、そこに「描かれた」あるいはそこに「撮された」、近代(明治・大正・昭和)のさまざまな「すがた」「かお」「かたち」「ようす」をさぐりだしてみたいと思います。といっても、新しい時代を描こうとか、撮そうとか意気込んで記録されたものではありません。そこに近代らしいと思われる姿が「ひょっこり」記録されていた、それを探りあててみようと思います。

会期
平成31年3月1日(金)~28日(木)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(2.3MB)download
岩国義済堂〈中央・高い建物〉(「防長名蹟」文書館図書290、明治41年) 

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第11回「明治期の灯台」

本州最西端に位置する山口県は,北に日本海,西に響灘,南に瀬戸内海が広がっています。なかでも,九州との間にある関門海峡は古くから海上交通の要衝で,さまざまな航路標識(広義の灯台)が集中している地域です。特に,ヨーロッパ商船の航行が増え,「ダーク・シー」(暗い海)と酷評された明治初期,響灘沿岸と関門海峡には,日本政府の要請によりイギリス人技術者集団の手によっていち早く洋式灯台が整備されます。その光芒は,まさに海における文明開化のシンボルでした。その中には,今も重要な航路標識として立派に機能している灯台が多く存在します。それらが海上交通の安全を支えた長い歳月は,島や岬の自然に溶け込んだ優美な姿とともに,人々の心を魅了し続けています。
本展示では,当館所蔵資料の中から山口県の明治期の灯台に関連する資料を紹介します。

会期
平成30年12月12日(水)~平成31年2月28日(木)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
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「角島灯台敷地買い上げにつき指令」(明治期政府布達類196)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第10回「明治期の県布達-掲示板で知る、読む-」

明治時代、県は県民に対し数多くの布達を出しました。その内容は法令や規則に止まらず、遺失物や漂流船の情報、犯罪者の人相書なども含むものでした。テレビもインターネットもない時代、それら布達は、各地に設置された掲示板を使って県民に周知される時期が長く続きました。山口県の場合、他県と比べ掲示板方式が長く用いられましたが、明治26年掲示板は廃止され、その役割を終えました。
今月は、明治期の県布達とその掲示板に関する資料を展示します。

会期
平成30年11月1日(木)~29日(木)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(0.58MB)download
「山口県布達達書」(山口県布達9)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第9回「明治期 華族の日常」

「明治」の世を迎え、江戸時代の大名は「華族」となりました。時代の変化に伴って、彼らもこれまでとは違った生活を送ります。
今回の展示では、文書館所蔵の毛利家文庫の中から、これまであまり知られてこなかった明治期の華族の日常を紹介します。

会期
平成30年9月29日(土)~10月30日(火)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(0.46MB)download
「御奥日記」
(毛利家文庫5忠愛公115(19の7))

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第8回「万国博覧会参加の記録 ―1893年シカゴ万国博覧会―」

万国博覧会は1851(嘉永4)年,ロンドンではじめて開催され,その後,西ヨーロッパ各国でたびたび開かれました。万博には,最先端の工業製品をはじめ,諸外国の物産が出品されたことから,万博は「西洋各国の物産に触れ,機械技術を伝習する場」,また「日本製品を紹介し,諸外国へ売り込む場」と認識され,日本も積極的に参加しました。
今回の展示では,1893(明治26)年のシカゴ万博(閣龍世界博覧会)の資料を紹介します。

会期
平成30年9月1日(土)~9月27日(木)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
観覧無料
資料
解説資料(0.69MB)download
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明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第7回「近代に祀られてー行政文書(神社関連資料)にただよう時代の雰囲気ー」

今月の資料小展示では、当館所蔵の重要文化財「山口県行政文書」のうち、神社関連資料に焦点をあてて、「先人の功績を称える」「先人に学ぶ」「面影を慕う」という時代の雰囲気を眺めてみようと思います。 「神社事務」「官国幣社一件」に綴じこまれた、神社の創建や社格の昇格申請にまつわる「由緒書・境内見取図・建築図面・建築仕様書・写真」などを紹介することにします。
野田神社(山口市)、吉香神社(岩国市)、祐綏神社(周南市)、松陰神社(萩市)、乃木神社(下関市)、伊藤神社(光市)の事例として取り上げます。
「顕彰」や「神格化」に映された時代相を理解することができます。

会期
平成30年8月1日(水)~8月30日(木)
閉館日
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会場
文書館閲覧室
備考
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資料
解説資料(1.50MB)download
野田神社境内見取図(大正四年)
「官国幣社」
(戦前B文書課604)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第6回「明治初年 大村益次郎の手紙」

当館所蔵「大村益次郎文書」は、大村家に伝来した大村益次郎に関する文書群です。この中には、幕末から明治初年にかけ、木戸孝允をはじめとするさまざまな人びとから大村に宛てられた多数の書状とともに、大村が父に宛てた書状9点、妻琴に宛てた書状4点が残されています。
後年大村は、その功績から、「近代軍制の創始者」「軍神」とも称される人物です。また司馬遼太郎『花神』では、天才的な軍才をもった合理主義者、ただし無愛想で少し気難しい人物として描かれています。
当館に残る父や妻宛ての書状からは、等身大の大村を垣間見ることができます。今月はその中から、明治2年(1868)8月25日に妻琴へ、10月18日に父へ宛てた大村の書状を紹介します。大村が滞在先の京都で兇徒に襲われ(9月4日)、その傷が元で命を落とす(11月5日)直前の手紙です。倹約家としての大村、父親思いの大村の姿をそこに見ることができます。

会期
平成30年6月30日(土)~7月29日(日)
閉館日
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文書館閲覧室
備考
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資料
解説資料(0.84MB)download
「大村益次郎書状(琴宛て/部分)」
(大村益次郎文書41)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第5回「幕末の唄〜トコトンヤレ節・ちょぼくれ節」

 幕末期の多くの事件は、文字で書かれたもののほかに、調子のよい七・五調にのせて歌われ、また語られて人々のあいだに知られていきました。ここで紹介する「ちょぼくれ」もそのひとつです。

「ちょぼくれ」は江戸時代後期に説経節や人形浄瑠璃・歌舞伎の「クドキ」の影響を受け、タイムリーな話題を聴衆におもしろおかしく、興味をそそるように聴かせたものです。各地で起きた事件を題材に作られ、歌われ(語られ)ました。まさに今日でいうニュースの一形態といえるでしょう。当館の塩田家文書にのこる、「大田・絵堂の戦い」を題材にしたちょぼくれを紹介します。大田・絵堂の戦いは元治2年(1865)正月、美祢市美東町の大田・絵堂を主戦地として、萩藩政府の正規軍である先鋒隊(撰鋒隊)と、高杉晋作ら諸隊との間で戦われた長州藩の内戦です。1月6日の夜半に諸隊側の奇襲で始まった戦闘は、10日間の交戦で諸隊が勝利しました。

 また慶応4年(1868)、戊辰戦争が始まると、長州などの倒幕軍(新政府軍)の立場で歌った「宮さん宮さんお馬の前にヒラヒラするのは何じやいな あれは朝敵征伐せよとの錦の御旗じや知らないか トコトンヤレ、トンヤレナ」で知られる「トコトンヤレ節(トンヤレ節)」が流行しました。作曲は大村益次郎ともいわれるものの確証はありません。作詞は品川弥二郎です。

会期
平成30年6月1日(金)~6月28日(木)
閉館日
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会場
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備考
観覧無料
資料
(解説資料はこちらのシートナンバー20と22をご覧ください)download
「美祢郡大田絵堂戦ちょぼくれ節」
(塩田家文書1029)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第4回「新収資料紹介 長井家文書 ―書状にみる長井雅楽―」

幕末、萩藩(長州藩)の政治を主導した人物のひとり、長井雅楽(時庸、文政2年[1819]~文久3年[1863])はあまりにも有名です。彼は「航海遠略策」を掲げ、公武の和合を訴えましたが志半ばで失脚し、文久3年2月6日、藩命により自刃しました。享年45歳。ところで、幕末史における長井雅楽の政治的活動はこれまで注目されてきましたが、彼の「人となり」についてはどうでしょうか。このたび当館に寄贈された長井家文書には、雅楽と家族との間で遣り取りされた30通あまりの書状が含まれています。そこには、夫として、父として、長井家の長としての雅楽の「思い」が、また家族の間だからこそ表せた「本音」がしたためられています。今回の展示では、「政治家」としての長井雅楽からは離れ、家族を持つひとりの「人間」としての一端を御紹介いたします。

会期
平成30年4月28日(土)~5月30日(水)
閉館日
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文書館閲覧室
備考
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資料
解説資料(0.34MB)download
「長井時庸書状」
(長井家文書135)

明治150年記念 資料小展示 「文書館資料にみる幕末・明治の人・物・文化」 第3回「奇兵隊士のいでたち」

当館の「元森家文書」から、奇兵隊士だった元森熊次郎の軍服・軍服着衣の写真・奇兵隊の袖印を紹介します。「元森家文書」は諸隊士のまとまった遺品として貴重で、軍服を納めた箱の蓋裏書や書簡からは、彼の活動の実状がうかがえます。

会期
平成30年3月31日(土)~4月26日(木)
閉館日
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文書館閲覧室
備考
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資料
解説資料(PDF4.75MB)download
「奇兵隊士元森熊次郎写真(湿板写真)」
(元森家文書43)

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